件名: 上がり

ども。

1週遅れになっちゃいましたが、 先週の週プロ「風香、痴漢撃退シーン再現」だけでカラー1頁。
こういう編集方針を続けてくれるなら新編集長を応援したい、ぞ。

というわけで、とある人の縁で、チケットを購入してしまったので、 雨の中後楽園ホールへ。
その人曰く、 「第0試合に、FMW後楽園ホールとFSR釧路の大会に出た ×××××・×××××も出るかもしれない」 なんてことを言われたけど、値段を聞くと1枚8,000円。 むふ〜、これは高いぞ！　しかも、 「予定していた対戦相手が捻挫したので×××××・×××××は多分出場しません」 なんて情報が後から出てくるし・・・。
なんか、茨城の某団体観戦記に近いノリだ。

ＳＵＷＡ引退興行　2007.3.11　後楽園ホール

●後楽園ホール
小雨の中、到着するとビルの1階から大混雑。 もちろんエレベーターを降りるとその混雑はさらに増す。
混雑の中売店をチェックすると、全日本ブース、エルドラドブース。 あっ、端っこにバトラーツもある・・・。
もちろんブースのメインはＳＵＷＡのファイナルグッズ。 あ、すいません、見るだけで何も買いませんでした。
場内は90％以上の席が埋まって、ほぼ満員。2000人は入っている。スゴイなぁ。
南側のE列ほぼ真ん中、チケット代金高かったけど、まぁ〜いいか・・・。

●オープニング
12時2分前に何やら音楽が鳴る。
もしや「第0試合？」と思ったら、 西側通路の脇に係員が用意したパイプ椅子に座る永源さん、じゃなかった、 ほぼ満員のお客さんが沸いたのは、音楽にあわせて、 南側リングサイド最前列に座った、 サングラスにパンチパーマの志賀賢と輝ける重鎮のお二人。
「こんなに多くのお客さんを沸かせるようになるなんて・・・」と、 隣の席の人は目をうるうるさせていました。
続いて、ＳＵＷＡ入場。
マイクを持って挨拶と思ったら、「クソガキとおっさん！　出て来い！」
ん？
再び鳴る音楽。ごく一部のお客さんが反応。誰？
ＣＩＭＡとフジイ！
数週間前の週プロに「花束持っていく」って言っていたなぁ。
いつのまにか、ＴＡＲＵがＳＵＷＡの後ろに・・・。睨み合う4人。
ＳＵＷＡのアピールで、ＣＩＭＡvsＳＵＷＡのシングルが決定！

●１．ＣＩＭＡvsＳＵＷＡ
5分1本勝負の特別試合。
この二人のシングルは初？
98年7月18日に「田舎者の皆さん！」と 憎たらしいマイクアピールの日本デビューを観戦してから9年、 ＣＩＭＡ、フジイ、ＳＵＷＡの立派な姿に、目をうるうる・・・。
しかもレフェリーは和田京平。あの時のレフェリーはテッド、いや松井だった？
月日の流れを感じる・・・。
あ、ＴＡＲＵも・・・。 ＴＡＲＵを初めて見たのは、99年1月8日中島体育センターの Ｃ−ＭＡＸの試合に現われて以来ですね。 この4人の中で、見方によれば、 もっともメジャーになったとも言えるＴＡＲＵに目をうるうる、は、 しないなぁ・・・、
なぜ？
試合。
最初こそは相手の出方をうかがう展開だったけど、 5分勝負ということで、一気に猛スパートで技の応酬！
しかし、意識してか相手の技をあえて受けないところは、 何やらＣ−ＭＡＸを離脱した"何か"を感じてしまう。
が、そんな余計なことを考えている間も無く、ＣＩＭＡのヴィーナス！ 　アイコノクラズム！　ＳＵＷＡのジョンウー！ 　リバースタイガードライバー！（これってオリジナルの技名あったよね？） 　と、両者決め技を出すが、結局時間切れ引き分け。

マイクを持つＳＵＷＡ。ＣＩＭＡに「ありがとう」。
それを受けて、ゆっくりマイクを持つＣＩＭＡ・・・。
「どういたしまして」。
その後睨み合うも、そのままゆっくりリングを降りるＳＵＷＡ。 ＴＡＲＵは既に姿も見えない。
う〜ん、ＳＵＷＡとＴＡＲＵのDRAGON GATEからの離脱には何があったのだろう？
サスケ、デルフィンの確執にも近いモノを感じる、終了後の4人の微妙な間合い。
ＣＩＭＡ 「おい、ちょっと待て！　ＴＡＲＵさんもそこにいるんだろ？ 　ちょっと戻って来てくれ！ 　今日どうしても話しておかないといけないことがあるんや！」
・・・"何か"の真相？
リング下のＳＵＷＡのそばにＴＡＲＵも戻ってくる。
ＣＩＭＡ「ストーカー市川が、二人によろしくって！」
むふ〜。
このマイクセンス、初めて日本でやってきてみちのくのお客さんを 「田舎者のみなさん！」って、言い放った時にもビックリしたものです・・・。
・
・
・
そして、この言葉を受けて、そのまま、リングを降り、引き揚げるＣＩＭＡとフジイ。 そして、ＳＵＷＡとＴＡＲＵ。この4人の別れは、これで十分なんだろう。
・
・
・
と、誰もいなくなったリングに若いお兄さんがマイクを持って上がる。
え〜っと、この人エルドラドの代表の人だっけ？　リングソウルの人だっけ？ 確かそんなところ。このお兄さんが、
「もうこれが最後なんです！」
「クレイジーＭＡＸとして4人いっしょにリングに上がってください！」
悲痛な叫び。
もちろん、お客さんも文句は無い。
ゆっくりと戻ってくるＣＩＭＡ、フジイ、ＳＵＷＡ、ＴＡＲＵ。
そして、お兄さんが用意した懐かしの黒いＣ−ＭＡＸＴシャツを着て、 4人で記念写真。
むふ〜。
満足して、思わず帰りそうになる。（超〜久々に思った。）

●２．
カードは全く発表されず、テーマ曲が流れたところでわかるようになっている。
ん？　聞いたことあるような・・・。 隣の人に聞くも「知らない」とあっさりとした返事。 そうか、知らない人か、って思っていると、西側青コーナーに武藤敬司だ！
むふ〜。
これなら聞いたことあるはず、と思いつつ、 それをはっきり思い出せない自分が すっかりメジャー世界とはかけ離れていることを実感。
「明るく楽しくハゲしいプロレス・・・」と、坊主頭を触りながら挨拶した武藤、 ガウンを脱ぐとドレス姿、服の間からはランジェリーがチラチラ見える。
あ、これがランジェリー武藤？ 　すいません、初めてだったので気が付くのが遅れました。
対するは？　♪〜
ほとんどお客さんの反応が無いテーマ曲。誰？
・・・通路を見ていて出てきたのは、アジャ・コング！ 　むふ〜。スゴイ組み合わせ。 ちなみにレフェリーは和田京平が下がって姉崎吾郎。 この後の試合もすっと姉崎吾郎が裁いていました。

アジャ・コングvsランジェリー武藤

試合は、予想通り、コーナートップからのムーンサルトを狙ったランジェリー武藤が 左膝の痛みからバランスを崩してリングに落ちたところを裏拳がバチーン！ と決まり、あっさり終了。
ランジェリー武藤は自分のブラジャーをアジャの胸に付けようとして、 再び裏拳を喰らい、完全KO！

●３．
♪〜
これは、知ってる！
じんせい様のテーマが流れる。わ〜い！
みちのくからのつながりを考えれば、じんせい様の登場もうなずける。 野橋真実を従えての登場。
対するは、“♪　セパラ〜ドス〜、ほにゃ、ほにゃ、セパラ〜ドス〜”（本物）
おぉ、この曲も知ってる、ウルティモ・ドラゴンだ。
こちらはドラゴン・キッドを連れて入場。
ん？　キッドより大きいと思ったら、リトル・ドラゴンとコール。 なるほど、いつの間にか別のドラゴンもいたのね。

ウルティモ・ドラゴン、リトル・ドラゴンvs新崎人生、野橋真実

ＳＵＷＡは、闘龍門デビューなんだから、 ウルティモ・ドラゴン参戦は全然OKなんだけど、 ウルティモ・ドラゴンも一度引退したんじゃなかったっけ？
ま、いまさら言うことでもありませんね。
しかし、なし崩しの復帰は良いとしても、 じんせい様の拝み渡りを強引にほどいて、拝み渡りを拒否したのはいただけない。
しかし、拝み渡りを拒否した以外は、 場外へのケプラーダなどかなりはりきった動き。じんせい様も真実もいい。
一方、初めて見るリトル・ドラゴン。 相手の身体の周りをクルクルまわるウラカンラナや 三角飛びスワンダイブのミサイルキックなど、それなりに動くんだけど、 どこかぎこちない動き。たくさん練習して上手になってください。
試合は、真実が逆打ちをリトル・ドラゴンに決めて、終了。

●休憩
休憩。
リング調整するのは、エルドラドのみなさまのようです。
金髪で髪が長いのは、清水基嗣かな？
DRAGON GATEを離脱した人の集団エルドラド、 結局ＳＵＷＡもここにたどり着いたっていうことなのでしょうか？

●４．
ＴＡＲＵ、ＹＡＳＳＨＩが入場。
ＴＡＲＵが、もうひとり加わって6人タッグをやることを告げ、 「びっくりするようなスゴイ奴を呼ぶ」「近藤じゃない」と言って、 もうひとりを呼び込む。
斉藤彰俊。
う〜ん、しばらく見ないうちに すっかりNOAH体型になったことはびっくりしたけど・・・。
3人揃ったところで、ＹＡＳＳＨＩがマイクで「俺たちの相手は誰なんだ？」と煽る。
「×△■＊＠、カスヤロ〜」
「＋※＃○、カスヤロ〜」
う〜ん、よくしゃべるなぁ〜。
♪〜
・・・？　と思っていると、身体の大きな黒いパンツの選手が入場。 身体自体は大きいけど、いかにも若手っぽいレスラーが一人入場。 あとから周りの反応でこの人が潮崎豪だそうで。 この人NOAHの期待の若手だよね。 体型はまだNOAHではないけど、上背はしっかりあって確かに期待はできそう。
しかしながら、ＹＡＳＳＨＩから見ればたいしたことないカスヤロ〜。 相変わらず大きな声を上げていると、
♪〜
あ、これは、、、
高山善廣、鈴木みのる登場。

高山善廣、鈴木みのる、潮崎豪 vs斉藤彰俊、ＴＡＲＵ、“ｂｒｏｔｈｅｒ”ＹＡＳＳＨＩ

たじろぐＹＡＳＳＨＩに、背中から押して高山、鈴木みのるに向かわせるＴＡＲＵ。
すばらしい。
というわけで、ゴングを待たずにＹＡＳＳＨＩが高山につっかかり、 それを合図に試合開始。 彰俊、ＴＡＲＵと鈴木みのる、潮崎はリング外で派手な場外戦。
リングの上は、ＹＡＳＳＨＩvs高山。
ＹＡＳＳＨＩ、チョップ、チョップ、ボディアタック、ラリアット・・・高山、 当然のようにびくともしない。一発の張り手で倒れるＹＡＳＳＨＩ。
その後、リングに戻った鈴木みのる、潮崎に捕まって逃げられないＹＡＳＳＨＩ。
試合前に好き放題言っていたのが嘘のようにふらふら。
しかし、ようやく自コーナーに戻って、彰俊、ＴＡＲＵに交替。
自コーナーに戻ると、元気になるＹＡＳＳＨＩ。 高山に「×△■＊＠、カスヤロ〜」「＋※＃○、カスヤロ〜」というと ものスゴイ怒った顔でエプロンをＹＡＳＳＨＩのところにやってくる高山。
これが武藤全日本のパッケージングなのかな？ 　プロレスはこういうふうにわかりやすくないとね。
でも、ＹＡＳＳＨＩの高山、鈴木みのるの技をすべて受ける試合振りは立派だし、 かつてはどことなくドタバタしている印象だったＴＡＲＵまでも 高山、鈴木みのる以上のヒールに見えるんだから、大したもの。
対する高山、鈴木みのる、潮崎チームで特筆は、潮崎の動き。
ＴＡＲＵの頭を越えちゃうんじゃないかっていうくらい 高いドロップキックをはじめ、 デカイ身体に似合わないスピードある動きは、未来、を感じました。
試合は、彰俊、ＴＡＲＵと鈴木みのる、潮崎が場外で乱闘の中、 またもやリングに残ったＹＡＳＳＨＩが高山のバックに回って、 ジャーマン！　ジャーマン、、、？
高山を投げられないＹＡＳＳＨＩ。
すぐに身体を入れ替えられて、ＹＡＳＳＨＩをジャーマン！
エベレストよりも高く感じた強烈ジャーマンスープレックス一発で、 ＹＡＳＳＨＩカウント３。
終了後、ＴＡＲＵ 「今日のところは簡便してやる、その代わり来週の（俺たちの興行）“カス１”で 試合を組んでやる」と捨て台詞。
鈴木みのるは町内会の会合に出席、高山は子供が生まれたので子供の世話、 があるので出場したくない、と言っていましたが、どうやら参戦するようです・・・。

●５．
いよいよメイン。ＳＵＷＡ最後の試合です。
怪しいお姉さん4人が花束を持ってリングへ。 タッグマッチかと思いきや、青コーナーには近藤修司が一人で入場。 赤コーナーからの入場を待つ。
闘龍門出身でもっとも出世したと思われる近藤。 これまでの実績からか、すでに堂々とした雰囲気。
ＳＵＷＡ入場。

ＳＵＷＡvs近藤修司

4人のお姉さんから花束を受け取るＳＵＷＡ。 レフェリーは第1試合を裁いた和田京平がふたたび、リングへ。
ゴング。
真っ向からぶつかる二人。
そのまま激しい戦いは場外までもつれる。
近藤を助けにＹＡＳＳＨＩが騒ぎながら現われると、 和田京平が「おまえは下がれ！」。
むふ〜。
和田京平とＹＡＳＳＨＩの二人何やら息があっているねぇ〜。
それはさておき、ゴツイ身体から繰り出す重い技をすべて受けるＳＵＷＡ。
ＳＵＷＡと言えば乱暴もので、 みちのくの田舎の会場のブルーシートに置いてある荷物を放り投げる乱暴者 という印象が一番強いけれど、その次に浮かぶのは、 ドラゴン・キッドをはじめとしたいろいろな選手のあらゆる技を 受けきっていたイメージ。
ＳＵＷＡの最後の試合、それを再確認するには、良い相手だった、 とＳＵＷＡの受けを見てあらためて感じた。
もちろん、ＳＵＷＡも反撃をして近藤を追い込む場面もあったけど、 最後は、強力なラリアットをはじめとする近藤のパワーに完全に屈した。 そんな試合でした。

●引退セレモニー
マスコミからのパネル。
ドクトルるちゃ、なんか老けた・・・。 倒産説があるせいか大きな声援が上がりました。
そして、選手関係者からの花束贈呈、、、
このお兄ちゃん誰？　と思ったら、ＫＥＮＴＡ、
おぉ！　志賀賢、
やっぱり仲がいいの？　永源さん、
ん？　なぜ？　アニマル浜口さん、
ＮＯＡＨ選手代表？　秋山準、
そして、師匠　ウルティモ・ドラゴン。
花束贈呈のあと、ＳＵＷＡからの感謝の言葉。１０カウントゴング。・・・・・・
写真撮影。 秋山準が、ウルティモ・ドラゴンを自分より真ん中に入るように勧めたんだけど、 ウルティモ・ドラゴンは遠慮して一番外側に立っていたのが印象に残りました。 秋山もウルティモ・ドラゴンもどっちもいい感じ。
そして、そして、
ＮＯＡＨ体型の人たちが、わさわさとリングに上がり、 全員でＳＵＷＡを胴上げ、最後はリングに落として、大団円。

●総括
良い興行だった。料金は8,000円だったけど、きっちり14時終了。 こういう全体のパッケージがとても大事。 ＳＵＷＡ本人も事前に言っていた通り「損はさせない」、 いや損は感じない興行でした。
第1試合に＋4点。
初めてのランジェリーに＋1点、うるさいＹＡＳＳＨＩに＋3点、 闘龍門出身の出世頭近藤に＋2点。
興行のパッケージに＋3点。
うは、合計93点。
う〜ん、ＳＵＷＡにはみちのくの悪い思い出しか残っていないけど、 引退花道にもう一声で、95点！
100点に足りなかったのは、意外性が少なかったことと、 興行始まる前のドキドキ感が薄かったこと、かな。
もっとも、カード当日発表っていうことでそれなりに努力はしていたんだけど、 結果的にはスゴク王道感あふれるパッケージだった。
あ、そもそもが、 友人からのチケット押し売りで購入したところもマイナスだったかも。 これはちょっと興行とは関係無い理由。ごめんちゃい。

それにしても、結束の強い闘龍門を離脱した時はどうなるものか、 と思ったけれど、最後はＮＯＡＨを主戦場にして、 エルドラドっていうバックボーンもあって、 このような引退興行ができたっていうのは、ＳＵＷＡのプロレスすごろく、 立派な、上がり、ですね。
怖い思い出、憎たらしい思い出、どうもありがとうございました。

では、また。

うちだなおき